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dancyu gift 019美食探訪ほろ苦さの奥に広がる甘さと独特の香気鮎を求めて初夏の琵琶湖、安曇川へ 午前6時半。所は琵琶湖の西岸、安曇川河口。鮎漁に出かける4人の漁師に同行し、舟の上である。 湖面に陽光が煌めき、その初夏の陽差しに向かって、舟はゆっくりと速度を上げ進んでゆく。頬をよぎる風は、まだ冷たさを含んでいるものの、早朝に大気をたっぷり吸うというだけでも、気持ちがいいものだ。これから始まる、琵琶湖独特のエリ漁に期待が高まる。 エリ漁とは、湖岸から数百メートルの範囲に”ツボ“と呼ばれる、網でできた四つの袋小路を設け、最終的には鮎をそこに閉じ込め、収穫する漁である。かつては、エリ漁で獲れた琵琶湖の稚鮎が、全国の河川に放流さ琵琶湖の西岸に位置する安曇川。川を横切る鮎漁の仕掛け“かっとりやな”は、この地方の夏の風物詩だ。ひと雨ごとに気温が上がり、鮎好きが心待ちにする季節がやってきた。風爽やかな初夏のある日、歴史ある琵琶湖の”エリ漁“と、琵琶湖西岸を流れる安曇川名物”かっとりやな“を訪れた。あ   ど  が わあ ど がわ

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