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dancyu gift 021美食探訪わさび製品は「蓋をして一日置く」ことが大事。これが、辛味を最大限に生かす鉄則なのだ清冽なる山の恵み、静岡の「わさび」長さ15cmほどある立派なわさびは、ひげ根もたくましい。清々しい香りや色と鮮烈な辛味。わさびは、ほかに取って代わるもののない、日本が誇る香辛野菜だ。生育は澄んだ湧き水に恵まれた山間部に限られる。抗菌作用や食欲増進などさまざまな効能が謳われるわさびを、栽培発祥の地である安倍川上流に訪ねた。 わさび漬けは明治22年の東海道線の開通以後、静岡名物として知られるようになったといわれている。昔は小型の浅い桶に入れて売られており、近くにその桶があるだけで、独特の香りが漂っていたそうだ。 有東木の下流にある横山に、4坪ほどの店舗で手づくりのわさび漬けを売っている店がある。その店舗と隣接する調理場が、主である小沢芳子さんの仕事場だ。 台所のような雰囲気だが、小沢さんがつくるわさび漬けの評判はとても高い。好評の要因は、家族ぐるみで丹精込めた良質のわさびにあることはもちろんだが、もう一つ、使われる酒粕に秘密があるという。あるじ

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