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012 dancyu gift美食探訪美食探訪食こそが生命、という信念のもと、塩と紫蘇だけで梅干しを作る。梅の実はすべて無化学肥料の木から収穫しています。色付けには無農薬栽培の紫蘇だけ、塩分は18%。お届けの梅干しは2〜3年熟成の品を中心に仕立てています。栽培方法上不揃いが多いですが、出来るだけ大きく粒揃えを選別しました。申し込み番号 71 T 8532●梅干2600g、紫蘇180g ●梅:和歌山県産 龍神自然食品センター特別仕立ての龍神梅山間の道を歩く寒川夫妻。傾斜地と水に恵まれた龍神村は梅栽培に最適な土地だ。一日、龍神梅の主、寒そうがわしげお川殖夫・加かよ代夫妻に迎えられた。 日高川を挟んで東西に広がる梅林(寒川さんは梅畑と呼ぶ)にでかけた。三町歩の畑は平地ではなく、まっすぐ立って歩くだけも難しい急な斜面地。水はけ、風通しがよく、しかもどの梅の木もまんべんなく日があたる。加えて良質の水と昼夜の温度差。これらがよい梅の必須条件だが、もちろんその筆頭は良質の土壌。「土壌作りに、15年かかりました」と寒川さん。そして、籾もみがら殻、糠、梅のみの滓かすなどで作った自家製の有機肥料をせっせと急斜面の畑に運び、手入れを続けた。そういえば、梅の木の数は1500本と変わらないのに、前回の訪問時よりも実の収穫量が倍に増えているのは、肥沃な土壌作りの成果である。 しかし、猿や鹿、猪の害が年毎に深刻になるなど、問題は尽きないが、消費者にも、生産農家にも、寒川夫婦の思いが除々に着実に染み渡っている。我が家では、焼き飯やパスタに入れる、「酸っぱうま」の梅干しは日本の蒸し暑い風土が造り上げた味なのだと実感する。主人の寒川殖夫さん。この山林を無化学肥料栽培に適した肥沃土に変えるには、15年の歳月を要したという。梅干しは白干しの段階まで仕込んでおき、出荷前に赤じそで色づけした梅酢にさらに2週間ほど漬け込む。ここで初めて美しい朱色に染まるのだ。

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