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072 dancyu gift道具厳選 そして、火加減の必要のない炊飯器がスタンダードとなった現在。それら文明の利器が目指すところは、逆に昔風の土鍋の炊きあがり。高級炊飯器なるものも登場しているが、「やっぱり美味しい」というシンプルな理由で、コンロで調理する土鍋が市民権を得るようになってきた。「おいしいご飯を炊くための」道具がここに復活した。 「おいしいご飯」のその一番の理由は、”おねば“にある。ご飯を炊く時にできるネバネバとした液体で、デンプン、水溶性多糖類、たんぱく質など、旨味成分を多く含んでいるのがこれ。独自の二重蓋構造がこの”おねば“を含んだ蒸気を逃がさずキープし、内側の穴から再びお米の中へと戻す。さしずめ、美味しさのための循環。くわえて、この二重構造は、吹きこぼれを防ぐという効能も兼ね備えている。 そして、鍋本体に採用されたのが、とち焼き。職人の繊細な技でもって生み出される、贅沢な品だ。その特徴は、鍋の底面にまでもが、ほぼ釉薬(ゆうやく)でコーティングされていること。素焼部分の露出を最小限に抑えることで、もともと蓄熱性にすぐれた土鍋は、さらに保温力を増す。だから、ふっくらとおいしいご飯を炊き上げることができるのだ。 また、鍋全体を包み込むように施された釉薬は、土鍋をテーブルに鍋を置いても傷つけにくい、優しいフォルムに仕上げるのにも一役買っている。 美しさと機能性を兼ね備えた作品。そんな土鍋が、ここにある。 もちろん、炊飯器に比べれば便利とは言えない。しかし、これくらいの努力はむしろ必要ではないだろうか。 色艶はもちろん、味わい深い「おいしいご飯」のために、わずかな努力を楽しめる食通に。ぜひ、お薦めしたい。山本安志作 手造り天目2合炊飯鍋約高さ16.5×径20cm 本体厚み約18.5㎜ 容量 約1リットル 質量 約2.1kg●素材/ 陶器●食洗機可●日本製※手造りのため、色、柄、サイズが多少異な る場合があります。申し込み番号 161 W 1558

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